Canon AE-1

ホームページに記載している内容とほぼ同じです。

(部分的に表現を変えていたり、追記されている文もあります)


ホームページの文字が小さくて読みにくいことと、今書いている記事に関連しいる事柄なので、リンクしやすく同ブログに転載することにしました。

以前読んでいただいた方には、内容はほとんど変わっていませんのでスルーして頂いてもいいと思います。


小さかった頃、年に一回、初売りで郡山にでかけるのが楽しみだった。

郡山に行くと言っても、駅のホームからどこにも寄らずにまっすぐ「うすいデパート」に向かって進み、デパート内で買い物するだけだった。

何か一つだけ欲しいものを買ってやると毎年言われたが、おもちゃ売り場に売っているもので、欲しいものを選べと言われても、その中の一つを選ぶことができずに、結局最後はしびれを切らした父が「これにしろ」と選んだおもちゃを買ってもらっていた。

小学5年生の春休みになぜか父がコニカ(二眼レフカメラ)を買ってきて、写真を撮りに行こうと言い出し、滝根町にあるあぶくま洞のあたりで適当に写真を撮ったことがある。ピントもダイヤルで距離を合わせないといけないようなかなりアバウトな操作をするカメラで写真ができあがるまではピントが合っているかどうかすらも想像がつかないようなものだった。

想像するに、町のカメラ屋に保険の仕事で訪問し、保険に入る代わりにカメラを買ってくれとでも言われたのだろう。

父がカメラを買った理由の真相は分からないが、結局のところ、父にとっては要らない物になったのだろう、父は一度も自分で写真を撮ることもなく、私にそのカメラを欲しいなら使えと言って渡した。

カメラが手に入ったことで写真を撮ることに興味が出てきたが、父と最初に撮りに行った時の写真は、ピントがずれていたり、暗くて被写体がよく写らなかったりと、あまり上手には撮れなかった。

それが気に入らなくて、本など読んだこともないのに、カメラの説明書を何度も読み返して、操作を覚えた。

夏休みになり、泊りがけで海に出かけたとき早起きをして日の出の写真を撮った。

薄暗いうちから日の出を待つのは少々大変だだったが、新年のテレビ放送のような、真っ赤な太陽の写真を撮影したかったので、がんばって太陽が出てくるのを待って撮影した。

現像から仕上がってきた写真には、太陽は写っておらず、ただ海が写っていただけだった。その時見た感動的な日の出の景色とあまりにも違っている「ただの海の写真」にとてもがっかりし、太陽が写らなかったことで「なんとかして太陽を写したい」という意欲が一気に出てきた。


カメラ屋で各メーカーのカメラのカタログを集めてきて、それぞれのカメラの違いや、カタログに載っている写真を何度も何度も見比べたりしていた。

結果的には、カメラがダメなのだという単純な結論にたどり着いた。

そしてその年の冬休みにそのことを父に話し、このカメラでは日の出の写真は撮れないから、一眼レフカメラを買ってほしいと、生まれて初めてともいえる欲しい物の明確な要求をしたのだ。

今から考えると小5の子供が手にできるようなおもちゃではなかったのだが。父は、「それじゃ初売りに行ったときに見てみよう」と言った。


初売りは例年通り、「うすいデパート」に行った。

カメラもそこで見ることになった。

カメラコーナーで、父がどれがいいのだと聞くので、ほしいカメラを指さした。

それを見ていた販売員がすぐにやってきて、「これは子供が使うようなカメラじゃないですよ」と父に説明を始めた。

父はそんなことはおかまいなしに、金は10万しか持ってきていないから、それ以上のものは買えないと私に話した。

すると店員は色んなカメラを出してきてカメラの説明をはじめたが、私がシャッタースピード優先で写真が撮れるのはキャノンだけなので、他のカメラはいらないと話すと、店員は「Canon A-1」という機種を持ち出してきて、もう少しお金をだすとこの最高級機種が買えますよと言い始めた。

A-1はブラックボディで、見た目にも高級感たっぷりであった。

私は、その機種は多機能だがフレームがプラスチックボディで信頼がおけないのでAE-1がいいと話すと、F1.4のレンズ付きを持ってきて、では、このセットがいいですねと話をはじめて、カメラケース、レンズフィルターなど、必要なオプションを一通り選んでくれた。

私は、A-1の見た目がとても格好よく思えていたので、ちょっと高くなるがブラックボディが欲しいと言うと、店員が撮影には関係ないですけどね・・・と言ったが、どうしてもブラックボディのカメラが欲しかったので、レンズの明るさを一段下げてF1.8のレンズでいいからブラックボディにしてくれと父に言うと、「お前が使うのだから好きにしろ」と言って、ブラックボディのカメラを買ってもらうことになったのだ。

その後、知らなかったこととは言え、明るさが一段暗いということがどれほど写真撮影に影響するかということを思い知ることになる。

しかし、買ってもらった時の嬉しさと言ったら、今現在でも生涯のベスト3に入っている。嬉しくて嬉しくてたまらなかった。

Canon AE-1という機種は、当時プロの記者が普通に使っていた物で、同じものを持っていた友達はもちろん居なかったし、同年代で首からぶら下げている姿も見たことがなかった。中学生になっても高校生になってもこの機種を使っていた人には出会わなかった。

今でも、父が何を思って小学5年生だった私に何の躊躇いもなくあんな高価なものを買い与える気になったのかわからない。しかし、あの時、あのカメラを買ってもらったおかげで、カメラと写真に興味を持ち、私の人生を大きく変えることになったことは間違いない。


私が中学に入った頃だっただろうか、兄が私のカメラを貸してくれと言って私のカメラを持って旅行に出かけたことがあった。代わりに自分が使っていたCanon F-1という機種を私に預けて行った。

レンズは旧型で大きい物であったが、50mm/F1.4のレンズを使っていた。

旅行から帰ってきた兄に、明るさが一段低いせいで室内写真に苦労している話をしながら「F1.4か、いいなぁ」と話すと、交換するか?と言って、私の小さなF1.8のレンズと交換してくれた。

そしてしばらくすると、兄はナショナルのグリップ式のストロボを私に買ってきてくれた。


Canon AE-1は、私が近視になって、ピント合わせが困難になるまでの間、およそ20年間も使われることになった。今でもきちんとメンテナンスをしておりいつでも使える状態で静かに休んでもらっている。

#AE-1#Canon#太陽の写真#一眼レフカメラ#思い出

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